呪われたテナントの正体【インプット協会発表用】

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九尾の狐の慰霊祭 割れた殺生石に願い込め 那須

2022年3月5日

栃木県那須町湯本

割れた殺生石(下野新聞より)

九尾のキツネ

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参考:とちぎふるさと学習(九尾のキツネ)

2022年3月5日、割れた殺生石が発見される。

殺生石は天皇を呪い殺そうとした九尾のキツネが、那須町で殺され石となったもの。

その後、殺生石は強い恨みにより毒を排出。

結果として、栃木には近づくものを殺す殺生石の民話が残った。

呪いってなに?

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仏教から派生した密教に、口密(クミツ)がある。

この口密に相当する実践要素を呪(シュ)と呼称していた。

神々への賛歌もまた呪(シュ)であったように、もともとは神秘的で怪しげな「まじない」ではなく、仏菩薩の秘密語。

ただし、害悪的な利用も古来日本では行われており、「丑の刻参り」も呪いにあたる。

呪いを解き始めた背景

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以前お世話になっている東端社長と、赤坂を歩いていた際のこと。

「ここの店舗はすぐに入れ替わる。理由はなんでしょうね?」

雑談の中で東端社長から質問されたことがキッカケとなり、自宅周辺の土地を調査。

行く先々で不動産、銀行業の方々にお話しを聞く機会を得た。

津田沼の呪い

不動産屋、銀行業の方と話していると下記文言が出てくる。

「土地の呪い」「魔物が棲む土地」「土地神の祟り」

オカルティックな話だが、実例として挙げられる土地は確かに曰く付きのものばかりであった。

JR津田沼駅から徒歩5分。

繁華街の中にありながら、数年で入れ替わるテナントがある。

付近の店舗が入れ替わることは極めて稀で、その土地は呪われていると噂されていた。

タクシーの運転手は、「津田沼で有名な大地主も、その土地には触れなかった」と教えてくれた。

呪いの要因

下記3要因を満たすことで、顧客から見えない、不可視の店ができあがる。

坂の途中通り過ぎてしまったり、車が止めにくかったり、視線が店に向かない
交番の近くシートベルトや法定速度など、店に意識が向かない
横断歩道の近く歩行者の有無、車の有無、法定速度など店に意識が向かない
横断歩道の真ん前だと逆に客入りが向上する

呪いの正体=導線

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津田沼で魔物の棲む土地と呼ばれる場所は、「坂の途中」+「交番の近く」+「横断歩道の近く」すべてを網羅していた。

すぐ店が入れ替わる原因は導線。

店に意識が向かない仕掛けが、土地に備わっていたのである。

100-1=0

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帝国ホテルより

帝国ホテルには「100-1=0」という言葉がある。

決して引き算が苦手なワケでなく、100ある強みも1つのマイナスによって0となる。

という意味が含まれている。

件の津田沼の土地には、他県の有名店が来たこともあるが、あっという間に撤退。

企業ブランディング等の涙ぐましい努力も、導線1つで0となった。

導線以外の撤退要因

参考:飲食店が潰れる前兆(みずほ銀行)

みずほ銀行は飲食店の撤退要因⑥点をまとめて公開している。

要因①料理が出るまで時間がかかる
要因②物件の入れ替わりが激しい
要因③コンセプトが定まっていない
要因④掃除が行き届いていない
要因⑤クーポンや割引を乱発する
要因⑥SNSやWebサイトの更新が途絶えがち

日本に蔓延る呪い

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NHKニュースより

導線という呪いは、テナントに限ったものではない。

事故の絶えない道路、読みづらい文章、人生設計。

このどれもが、導線に課題を抱えたまま応急処置を繰り返し、より複雑化されている。

導線改善には1工程加えるだけで良いのだが、そこにかけるお金を勿体ないと感じる企業は多い。

導線改善=リデザイン

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すべてのデザインは人の為に作られる。

しかし、時代とともに人は進化し、過去のデザインは通用しなくなる。

例えば映画「シン・ゴジラ」ではゴシラのデザインが再構築された。

渋谷駅」もまた常に再構築が行われている。

人生設計は「キャリアデザイン」や「マネーデザイン」として生まれ変わりつつある。

このような再設計を「リデザイン」と呼称する。

呪いを解くのは新時代のデザイナー

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自分自身を含む過去のデザイナーは、自分が呪われていることに気づかない。

企業も、自社が呪われているとは思ってもいない。

呪いに気づける、呪いを解けるのは新時代のデザイナーのみである。

「慣例ではこうだから」「ウチではこうやっているから」「こう教わったから」「マニュアル読め」

その導線は現代に合ったものなのか、過去を生きている人間には最早推し量れるものではない。

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